「サ高住」と「住宅型有料老人ホーム」の違いは?
自由度と手厚さで選ぶベストな選択

高齢者の住み替え先を探していると、 よく比較されるのが 「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」「住宅型有料老人ホーム」です。

どちらも高齢者が生活する住まいですが、 制度上の位置付けや契約、サービスの考え方には違いがあります。

一方で実際の施設を見ると、 介護事業所を併設したサ高住もあれば、 比較的自由な生活ができる住宅型有料老人ホームもあります。

まず結論!
大まかにいえば、

サ高住
→ 高齢者が安心して暮らせる「住宅」としての性格が基本


住宅型有料老人ホーム
→ 食事・生活支援等を提供する「有料老人ホーム」


という違いがあります。

ただし、 「サ高住=自由」「住宅型=介護が手厚い」 と一律には判断できません。

実際には、個々の住宅・ホームの 介護、看護、医療、夜間対応などを比較することが重要です。

サ高住とは?

サ高住は正式には 「サービス付き高齢者向け住宅」 といいます。

高齢者が安心して暮らせるよう、 バリアフリー構造など一定の基準を満たした 高齢者向け住宅です。

サ高住で基本となるサービスは、

① 安否確認サービス
② 生活相談サービス


です。
「サービス付き」のサービスとは、 必ずしも「介護サービス」を意味するものではありません。

一般的なサ高住では、 必要に応じて訪問介護などの 介護保険サービスを別途利用します。

住宅型有料老人ホームとは?

住宅型有料老人ホームは、 高齢者に住居を提供するとともに、 食事の提供や生活支援などのサービスを提供する 有料老人ホームの一つです。

ただし、 「住宅型」という名称から、 ホームが介護保険上の介護を包括的に提供する施設だと 誤解しないことが重要です。

介護が必要になった場合には、 一般に訪問介護、訪問看護、通所介護などの 外部等の介護保険サービスを利用しながら 生活します。
住宅型有料老人ホームと 「介護付き有料老人ホーム」は別の類型です。

介護付き有料老人ホームは、 特定施設入居者生活介護等の指定を受け、 ホームの仕組みの中で介護サービスを提供する点が 大きな違いです。

サ高住と住宅型有料老人ホームを比較

比較項目 サ高住 住宅型有料老人ホーム
基本的な位置付け 高齢者向け住宅 有料老人ホーム
住まいとしての性格 比較的強い 施設ごとの差が大きい
安否確認・生活相談 登録上の基本サービス ホームのサービス内容による
食事 提供する住宅が多いが、 一律に必須ではない 食事提供を行うホームが一般的
介護保険サービス 一般型では訪問介護等を利用 一般に訪問介護等を利用
生活の自由度 比較的高い住宅も多い ホームによって大きく異なる
認知症への対応 住宅ごとに異なる ホームごとに異なる
重度介護への対応 住宅ごとに異なる ホームごとに異なる
医療・看護 住宅ごとに異なる ホームごとに異なる
看取り 対応する住宅もある 対応するホームもある
実際の高齢者住宅選びでは、 「サ高住か住宅型か」という分類だけでは 十分に判断できません。

同じ種類でも、 施設ごとのサービス内容には かなり大きな差があります。

「自由度」で選ぶならサ高住?

一般的なサ高住は、 高齢者向けの「住宅」という性格が強いため、 比較的自由な生活を送りやすい住宅があります。

外出

元気な方であれば、 買い物や散歩などに自由に出かけやすい住宅があります。

生活時間

起床・就寝などを、 本人の生活リズムに合わせやすい場合があります。

食事

住宅によっては、 食事サービスを利用せず 自炊や外食を選べる場合があります。

介護サービス

一般型では、 本人の状態に応じて必要なサービスを 組み合わせて利用します。

ただし、すべてのサ高住が 「自由度が高い」とは限りません。

食事時間、外出、外泊などについて 住宅独自のルールがある場合もあります。

「手厚さ」で選ぶなら住宅型有料老人ホーム?

住宅型有料老人ホームでは、 食事・清掃・生活支援などを ホーム側がまとめて提供しているケースが多く、 生活全般の支援を受けやすい施設があります。

また、訪問介護事業所や訪問看護事業所などが 併設・隣接しているホームもあります。

しかし「住宅型=介護が手厚い」とは限りません
住宅型有料老人ホームでも、 介護保険上の介護サービスについては、 一般に訪問介護等を個別に利用する仕組みです。

したがって、 職員が何人いるのか、夜間はどうなのか、 訪問介護・看護とどう連携しているのか を具体的に確認する必要があります。

介護が必要になったら何が違う?

サ高住と住宅型有料老人ホームの比較で、 最も誤解されやすいところです。

一般的なサ高住も住宅型有料老人ホームも、 介護が必要になれば 訪問介護等の介護保険サービスを 利用するケースがあります。

例えば、
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • デイサービス
  • 福祉用具貸与
  • 居宅介護支援
などを組み合わせて生活します。
建物に介護事業所が併設されていることと、 介護サービスが家賃等に含まれていることは別です。

どのサービスが住宅・ホームの料金に含まれ、 どのサービスが介護保険等による別契約なのかを 確認しましょう。

例外もあります―「介護付き」のサ高住

サ高住の中には、 特定施設入居者生活介護の指定を受けている 住宅があります。

このタイプでは、 一般的なサ高住とは介護サービスの仕組みが異なります。

そのため「サ高住は全部同じ」と考えないことが重要です。

比較するときには、 単に「サ高住」という名称を見るだけでなく、 特定施設の指定の有無も確認しましょう。

認知症になったらどちらが安心?

認知症への対応も、 「サ高住か住宅型か」だけでは判断できません。

重要なのは、 実際の見守り・介護体制です。

確認したいのは、
  • 認知症の方の受入実績があるか
  • 認知症が進行しても住み続けられるか
  • 夜間の見守り体制はどうなっているか
  • 外出して戻れなくなった場合の対応はどうするか
  • 服薬管理を支援してもらえるか
  • 他の入居者とのトラブル時にどう対応するか
  • どのような状態になると住み替えが必要になるか

要介護4・5になっても住める?

要介護度が高くなったからといって、 それだけで直ちに退去になるとは限りません。

一方で、 重度介護への対応力は住宅・ホームによって 大きく異なります。

確認① 夜間介護

夜間に排泄介助などが必要になった場合、 どのような体制で対応するのか確認します。

確認② 移乗・入浴

車いすや寝たきりになった場合にも 必要な介助を確保できるか確認します。

確認③ 訪問看護

医療的ケアが必要になった場合、 訪問看護を利用できるか確認します。

確認④ 看取り

終末期になった場合、 その居室で看取りまで対応できるか確認します。

費用はどちらが安い?

費用についても、 「サ高住の方が安い」 「住宅型の方が高い」と一律には言えません。

立地、居室面積、サービス内容、 介護・医療体制などによって大きく異なります。

費用項目 サ高住 住宅型有料老人ホーム
入居時費用 敷金等が中心の住宅もある 0円から前払い金のあるホームまでさまざま
家賃・居住費 あり あり
管理・共益費等 住宅による ホームによる
食費 利用状況・住宅による 設定されていることが多い
介護保険自己負担 別途必要になる場合がある 別途必要になる場合がある
医療・日用品等 別途 別途
比較するときは「月額○万円」だけを見ないでください。

家賃+管理費等+食費+生活支援費+介護保険自己負担+医療費+日用品

まで含めて、 毎月の実質負担額を比較することが重要です。

サ高住が向いている人

  • まだ比較的自立して生活できる
  • 一人暮らしには少し不安がある
  • 安否確認のある住まいがほしい
  • 今までの生活リズムをなるべく維持したい
  • 外出などの自由を保ちたい
  • 必要な介護サービスを選んで利用したい
  • 「施設」より「自宅に近い住まい」を希望している

住宅型有料老人ホームが向いている人

  • 食事や生活支援をまとめて受けたい
  • 日常生活について一定のサポートがほしい
  • すでに介護サービスを利用している
  • 介護事業所等との連携を重視したい
  • 自炊などをせず食事提供を利用したい
  • 施設内での交流やレクリエーションを希望する
  • 将来の介護への対応力を重視して比較したい
ただし、上記はあくまで一般的な傾向です。

実際には、 自由度の高い住宅型有料老人ホームもあれば、 重度介護や看取りまで対応するサ高住もあります。

結局、どちらを選ぶのがベスト?

答えは、 本人の現在の状態と、将来どのように暮らしたいか によって変わります。

STEP 1 現在の介護状態を確認する
自立・要支援・要介護のどの段階にあり、 現在どのような支援が必要かを整理します。
STEP 2 本人が希望する生活を確認する
自由に外出したいのか、 食事や生活支援をまとめて受けたいのかを確認します。
STEP 3 将来の介護を想定する
要介護4・5、認知症、車いす、寝たきりになった場合まで考えます。
STEP 4 医療体制を確認する
訪問診療、訪問看護、夜間対応、看取りなどを確認します。
STEP 5 5年・10年の費用を考える
現在の料金だけでなく、 介護費や医療費が増えた場合も考えて資金計画を立てます。
STEP 6 退去条件を確認する
認知症や要介護度が高くなった場合、 どのような状態まで住み続けられるのか確認します。

見学時に必ず聞きたい10の質問

  • 現在、要介護4・5の方は入居していますか
  • 認知症が進行しても住み続けられますか
  • 夜間は何人・どのような職種の職員が対応しますか
  • 介護が必要になった場合、どの事業所を利用できますか
  • 訪問看護は利用できますか
  • 訪問診療を受けられますか
  • どのような医療的ケアに対応できますか
  • 看取りの実績はありますか
  • どのような場合に退去・住み替えが必要になりますか
  • 介護・医療等まで含めた毎月の総額はいくら程度ですか
パンフレットより「実際に住んでいる人」を見る
見学したときには、

現在どの程度の要介護者が生活しているのか

を見ることも参考になります。

比較的元気な方ばかりなのか、 車いすの方や認知症の方、 重度の要介護者も生活しているのか。

実際の入居者の様子は、 その住宅・ホームの対応力を考える 一つの参考になります。

最後は「契約書」と「退去条件」を確認する

設備や食事、職員の印象が良くても、 契約内容の確認を忘れてはいけません。

特に、
  • 契約の種類
  • 月額費用と別途費用
  • 料金改定の取扱い
  • 長期入院時の取扱い
  • 認知症が進行した場合の対応
  • 重度介護になった場合の対応
  • 事業者から契約解除できる場合
  • 退去時の精算
  • 前払い金等の返還
などを確認します。

住まい選びと一緒に考えたい将来の準備

高齢者住宅への住み替えは、 これからの生活全体を考えるよい機会でもあります。

自宅

入居後の自宅を売却するのか、 賃貸するのか、残すのかを検討します。

財産管理

将来、自分で預貯金等を管理することが 難しくなった場合に備えます。

任意後見

認知症などによる判断能力の低下に備え、 元気なうちに任意後見契約を検討する方法があります。

遺言・死後の手続き

遺言や死後事務など、 本人亡き後の手続きについても 早めに整理しておくと安心です。

まとめ

① サ高住は「高齢者向け住宅」としての性格が基本です
安否確認・生活相談を受けながら生活します。

② 住宅型有料老人ホームは「有料老人ホーム」です
食事や生活支援などを提供するホームです。

③ どちらも「介護の手厚さ」は名称だけでは判断できません
実際の職員体制・介護事業所との連携等を確認します。

④ 認知症・重度介護・医療・看取りまで確認します
現在だけでなく5年後、10年後を考えることが大切です。

⑤ 費用は月額表示だけで比較しません
介護・医療・日用品まで含めた総額を比較します。

⑥ 最後は契約と退去条件を確認します
将来どのような場合に住み替えが必要になるのか確認しましょう。

「自由度」と「手厚さ」のどちらを優先する?
比較するときは、

① 今、どの程度介護が必要か
② どのような生活を本人が希望するか
③ 認知症が進んだ場合に対応できるか
④ 要介護4・5になっても生活できるか
⑤ 夜間・医療・看取りに対応できるか
⑥ 5年・10年住み続けられる費用か
⑦ 退去条件はどうなっているか


を確認しましょう。

「サ高住か住宅型か」という名称だけでなく、 「その人に合った住宅・ホームか」で選ぶことが 最も大切です。
サ高住・住宅型有料老人ホームなど、
高齢者住宅選びについてお気軽にご相談ください。
川崎駅前通行政書士事務所
TEL:090-5429-0927
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