宅建業者の変更届とは?
役員・代表者・商号・事務所・専任の宅地建物取引士を変更したときの手続き

宅地建物取引業の免許を取得した後、 会社の代表者や役員が変わったり、 事務所を移転したり、 専任の宅地建物取引士が交代したりすることがあります。

こうした変更があった場合、 法務局の会社登記だけでなく、 宅建業免許についても変更届が必要になることがあります。

変更を放置しておくと、 免許更新時に未届が判明したり、 専任宅建士や事務所要件に問題が生じたりすることがあります。

宅建業の変更届は「会社の変更」と連動して確認します
会社・事務所等に変更
↓
登記が必要か確認
↓
宅建業上の変更届が必要か確認
↓
必要書類を準備
↓
変更届提出
↓
保証協会等の変更も確認

どのような変更で届出が必要?

宅建業者について登録されている事項に変更があった場合には、 内容に応じて変更届が必要になります。

① 商号・名称

株式会社・合同会社等の会社名を変更した場合です。

② 代表者

代表取締役・代表社員などが交代した場合です。

③ 役員

取締役などの就任・退任があった場合です。

④ 事務所

事務所所在地の変更、新設、廃止などがあった場合です。

⑤ 専任宅建士

専任の宅地建物取引士が退職・異動・交代した場合です。

⑥ 政令で定める使用人等

支店長など、宅建業法上の届出事項となる者に変更があった場合です。

変更届の期限は?

宅建業法上の変更届は、 変更内容に応じて、 原則として変更があった日から30日以内 に届け出る必要があるものがあります。

「次の免許更新のときに直せばよい」 というものではありません。

変更があったら、その都度、 届出の必要性と期限を確認することが重要です。

会社登記と宅建業変更届は別の手続き

代表者、役員、商号、本店所在地などは、 法務局で変更登記が必要になる場合があります。

法務局で登記変更
≠ 宅建業免許の変更が自動的に完了


それぞれ別の手続きとして確認する必要があります。

宅建業の変更届では、 登記後の履歴事項全部証明書等を 添付する場合もあります。

代表者が変わった場合

法人の代表取締役や代表社員が変更された場合には、 宅建業免許上の代表者変更を確認します。

典型的な流れ
社内で代表者変更
↓
必要な会社決議
↓
法務局で代表者変更登記
↓
新しい登記事項証明書等を取得
↓
宅建業の変更届

新しい代表者についても欠格要件を確認

宅建業免許では、 新代表者が就任した場合にも 宅建業法上の欠格要件 に該当しないことが重要です。

単に会社法上代表者になれるかだけでなく、 宅建業免許上の適格性も確認します。

役員が就任・退任した場合

取締役等が新たに就任した場合や、 既存役員が退任した場合には、 役員変更届を確認します。

例えば、
  • 新しい取締役が就任した
  • 取締役が辞任した
  • 任期満了で役員構成が変わった
  • 監査役等に変更があった
などです。

新任役員については、 必要な身分関係書類等を準備する場合があります。

商号を変更した場合

会社名を変更した場合には、 法務局での商号変更登記後、 宅建業免許についても変更手続きを確認します。

例えば、

株式会社○○不動産
↓
株式会社○○リアルエステート


と変更した場合です。

商号変更後は、 免許関係だけでなく、 標識、保証協会、銀行、契約書、 ホームページ、名刺などの変更も必要になる場合があります。

事務所を移転した場合

宅建業を行う事務所を移転した場合には、 変更届が必要になります。

ただし、宅建業では単なる住所変更ではなく、 移転先が宅建業の事務所要件を満たしているか が重要です。

確認したいのは、
  • 継続して宅建業を行える場所か
  • 事務所として独立性があるか
  • 他法人・居住部分との区分に問題がないか
  • 専任宅建士が常勤できるか
  • 標識を掲示できるか
  • 事務設備を設置できるか
などです。
新しい事務所を先に契約してから、 宅建業事務所として使用できないことが判明すると 大きな負担になります。

移転前に事務所要件を確認することをおすすめします。

本店移転と宅建業事務所移転は同じ?

会社の登記上の本店所在地と、 実際の宅建業法上の事務所は 必ずしも同じ考え方で処理されるとは限りません。

本店移転登記を行った場合でも、 宅建業上どの事務所が移転したのか、 実際の業務実態がどうなっているのかを確認します。

専任の宅地建物取引士が変わった場合

専任宅建士が退職・異動した場合には、 特に注意が必要です。

専任宅建士がいなくなったまま放置すると、 宅建業法上の必要な体制を満たさなくなる可能性があります。

そのため、 退職予定が分かった段階で、 後任者を確保できるか確認しておくことが重要です。

専任宅建士の人数も確認

宅建業の事務所には、 法律上必要な人数の専任宅建士を置く必要があります。

人数の基本
一般に、

宅建業に従事する者5人につき1人以上

の割合で、 成年者である専任の宅地建物取引士が必要です。

従業者数が増えた場合にも、 専任宅建士の必要人数が変わらないか確認しましょう。

「資格を持っている」だけでは専任とは限らない

宅建士資格を持っている人であっても、 他社に常勤していたり、 他の事務所の専任宅建士となっていたりする場合には、 専任性の問題が生じます。

確認する事項として、
  • その事務所に常勤しているか
  • 専ら宅建業務に従事できるか
  • 他の宅建業者で専任となっていないか
  • 宅地建物取引士証が有効か
などがあります。

事務所を新設する場合

新たに支店等を設けて、 そこで宅建業を行う場合には、 事務所新設に伴う手続きを確認します。

事務所を増やすと、 専任宅建士の追加配置や 保証協会・営業保証金関係の追加手続きが 必要になる場合があります。

複数都道府県に事務所を置くと「免許換え」も

現在が知事免許で、 新たに他の都道府県にも宅建業の事務所を設置する場合などには、 単なる変更届ではなく 免許換え が必要となる場合があります。

例えば
神奈川県内だけに事務所
神奈川県知事免許

↓

東京都にも宅建業事務所を新設

↓

国土交通大臣免許への免許換えを検討

事務所を廃止する場合

支店等を廃止した場合にも、 宅建業上の変更手続きが必要になります。

事務所廃止に伴って、

  • 専任宅建士の扱い
  • 従業者の異動
  • 保証協会関係
  • 標識の撤去
  • 免許区分への影響
などを確認します。

代表者が専任宅建士を兼ねている場合

小規模な不動産会社では、 代表取締役本人が 専任の宅地建物取引士を兼ねている場合があります。

この代表者が退任すると、 「代表者変更」と「専任宅建士変更」が 同時に発生する場合があります。

代表者の後任だけでなく、 専任宅建士の人数・専任性も同時に確認することが重要です。

変更届の主な必要書類

必要書類は変更内容や行政庁によって異なりますが、 一般に次のような資料が必要となる場合があります。

変更内容 主な確認資料の例
商号 履歴事項全部証明書等
代表者 履歴事項全部証明書、身分関係書類等
役員 履歴事項全部証明書、新任役員関係書類等
事務所所在地 登記事項証明書、賃貸借契約書、写真、平面図等
専任宅建士 宅建士関係書類、常勤性・専任性に関する資料等
実際の提出書類は、 申請先行政庁の最新の手引きで確認してください。

事務所変更では写真が重要

事務所を移転・新設した場合には、 事務所の実態を確認するため、 写真等の提出が求められる場合があります。

  • 建物外観
  • 事務所入口
  • 事務所内部
  • 執務スペース
  • 標識掲示状況
  • 他法人・居住部分との区分

賃貸物件を事務所にする場合

借りている物件へ事務所を移す場合には、 賃貸借契約書の用途も確認しましょう。

賃貸借契約上「住居専用」となっている物件を、 貸主の承諾なく宅建業事務所として使用することは 問題になる可能性があります。

保証協会への変更手続きも確認

宅地建物取引業保証協会へ加入している場合には、 行政庁への変更届だけでなく、 保証協会側にも必要な手続きがないか確認します。

特に、

商号変更
代表者変更
事務所移転
事務所新設・廃止


などでは、 保証協会関係の届出も確認しておくことが重要です。

営業保証金を供託している場合

保証協会を利用せず、 営業保証金を供託している場合についても、 事務所変更等に伴い 供託関係の手続きが必要となることがあります。

会社を組織変更した場合

株式会社から合同会社、 合同会社から株式会社へ組織変更した場合には、 宅建業免許への影響も確認します。

確認したい事項は、
  • 商号
  • 代表者
  • 役員等
  • 事務所
  • 専任宅建士
  • 保証協会関係
などです。

変更手続きの流れ

STEP 1 何が変更されたか確認
役員、代表者、商号、事務所、専任宅建士等を整理します。
STEP 2 会社登記の必要性を確認
代表者・役員・商号・本店所在地等で登記が必要か確認します。
STEP 3 宅建業変更届を確認
変更内容に応じた届出と期限を確認します。
STEP 4 添付書類を収集
登記事項証明書、事務所資料、宅建士関係資料等を準備します。
STEP 5 変更届を提出
管轄行政庁へ期限内に提出します。
STEP 6 保証協会・銀行等も確認
必要に応じて関連機関への変更を行います。

よくある変更漏れ

① 登記だけ変更した

役員変更登記は終わったものの、 宅建業変更届を提出していないケースです。

② 専任宅建士が退職した

後任者の手配や変更届が遅れてしまうケースです。

③ 事務所を移転した

本店移転登記だけで、 宅建業事務所の変更が未処理のケースです。

④ 更新時に未届が判明

5年後の免許更新時に、 過去の変更届漏れが見つかるケースです。

変更届チェックリスト

  • 変更日を確認した
  • 30日以内の届出対象か確認した
  • 商号変更の有無を確認した
  • 代表者変更の有無を確認した
  • 役員変更の有無を確認した
  • 事務所変更の有無を確認した
  • 専任宅建士変更の有無を確認した
  • 政令使用人等の変更を確認した
  • 会社登記が必要か確認した
  • 新しい登記事項証明書を取得した
  • 事務所要件を確認した
  • 専任宅建士の必要人数を確認した
  • 保証協会等の変更手続きを確認した
  • 免許換えが必要でないか確認した

行政書士に依頼できること

宅建業の変更届は、 単に届出用紙へ変更内容を書くことだけではありません。

会社登記・宅建業免許・専任宅建士・事務所・保証協会などを 一体として整理すること が重要です。

行政書士は業務範囲に応じて、
  • 宅建業変更届の作成・提出
  • 代表者・役員変更に伴う宅建業手続き
  • 商号変更届
  • 事務所移転・新設・廃止手続き
  • 専任宅建士変更届
  • 必要書類の確認・収集支援
  • 免許換えが必要かの確認
  • 宅建業免許更新との整合確認
などを支援することができます。
法務局への会社登記申請代理は司法書士の業務です。

代表者・役員・商号・本店所在地等の変更では、 必要に応じて司法書士による登記と 行政書士による宅建業変更届を連携して進めます。

まとめ

① 宅建業免許取得後に登録事項が変わった場合は、変更届の必要性を確認します。

② 代表者・役員・商号・事務所・専任宅建士などは代表的な変更事項です。

③ 変更届は原則30日以内となるものがあるため、変更後は速やかに確認します。

④ 会社登記と宅建業変更届は別の手続きです。

⑤ 専任宅建士が変わる場合は、必要人数と専任性を確認することが重要です。

⑥ 事務所移転・新設では、事務所要件と保証協会等の手続きも確認します。

⑦ 複数都道府県に事務所を置く場合などは、免許換えが必要になることがあります。

変更があったら「登記・免許・宅建士・事務所」をまとめて確認
会社・事務所に変更
↓
会社登記を確認
↓
宅建業変更届
↓
専任宅建士・事務所要件確認
↓
保証協会・供託関係確認
↓
次回更新まで適切に管理


変更をその都度処理しておくことで、 免許更新時の手続きもスムーズに進めやすくなります。
宅建業免許の変更届について
お気軽にご相談ください
「代表取締役が変わった」
「役員が就任・退任した」
「事務所を移転したい」
「専任宅建士が退職する」
といった段階からご相談いただけます。
川崎駅前通行政書士事務所
TEL:090-5429-0927
宅建業の変更届について相談する
宅建業免許の新規・更新・変更届・事務所変更・
専任宅建士変更・免許換えなどについてご相談いただけます。