産廃収集運搬業許可の更新・変更手続きとは?
役員・住所・車両が変わった場合も解説
産業廃棄物収集運搬業許可は、 一度取得すればそのまま永久に使える許可ではありません。
許可には有効期間があり、 事業を継続する場合には 更新許可申請 が必要です。
また、許可取得後に 会社の役員、本店所在地、商号、事務所、 運搬車両などに変更があった場合には、 変更内容に応じて 変更届 などの手続きが必要となります。
さらに、 現在の許可にない産業廃棄物の種類を追加するなど、 事業の範囲そのものを広げる場合には、 単なる変更届ではなく 変更許可申請 が必要になる場合があります。
現在の許可を有効期間満了後も継続したい場合
② 変更届
役員・商号・所在地・車両など、 法令上届出が必要な事項に変更があった場合
③ 変更許可申請
取り扱う産業廃棄物の種類を追加するなど、 許可された事業範囲を変更する場合
「会社に何か変更があった=全部変更届」 ではありません。
何が変わったのかによって、 必要な手続きを判断することが重要です。
産廃収集運搬業許可の有効期間は?
通常の産業廃棄物収集運搬業許可の有効期間は、 原則として5年間です。
事業を継続する場合には、 許可の有効期間が満了する前に 更新許可申請を行う必要があります。
まずは自社が保有している許可証を確認し、 許可期限を把握しておくことが重要です。
なお、優良産廃処理業者認定制度により 一定の場合には通常より長い有効期間となることがあります。 そのため、 実際の有効期限は必ず許可証で確認 してください。
更新を忘れて許可期限を過ぎるとどうなる?
「数日遅れただけだから」 「前回も許可を持っていたから」 という理由だけで、 期限後に通常の更新申請をすれば そのまま継続できるとは限りません。
事業を継続する会社では、 許可期限を会社の許認可管理表などに登録し、 早めに更新準備を始めることが大切です。
更新申請はいつから準備する?
更新申請の受付開始時期や予約方法、 必要書類等は、 許可行政庁によって取扱いが異なる場合があります。
- 現在の許可証の有効期限
- 更新申請の受付開始時期
- 申請方法・予約の要否
- 講習会修了証等の要件
- 現在の役員
- 株主・出資者等の確認が必要か
- 本店・事務所所在地
- 現在使用している運搬車両
- 取り扱う産業廃棄物の種類
- 積替え保管の有無
- 財務関係書類
- 欠格要件に関する事項
期限直前になってから、 講習会や必要書類の不足に気付くと、 更新手続きに支障が出ることがあります。
産廃収集運搬業許可の更新手続きの流れ
許可番号・品目・許可区域・有効期限等を確認
役員・住所・車両等に未届の変更がないか確認
申請先の最新案内に従って確認
登記事項証明書・住民票・財務書類等、必要な資料を準備
更新のときに変更事項をまとめて直せばよい?
これは注意が必要です。
役員や所在地など、 法令上変更届の対象となる事項については、 変更後に所定の期間内に 届出が必要となるものがあります。
したがって、 更新時期が近いかどうかにかかわらず、 変更が発生した時点で 届出の要否と期限 を確認することが重要です。
更新許可・変更届・変更許可の違い
| 手続き | どんなとき? | 代表例 |
|---|---|---|
| 更新許可申請 | 現在の許可を有効期間満了後も継続したい場合 | 5年間の許可期間満了後も収集運搬業を継続する |
| 変更届 | 法令上届出が必要な事項に変更があった場合 | 役員、商号、所在地、一定の車両等の変更 |
| 変更許可申請 | 許可された事業範囲を変更する場合 | 取り扱う産廃品目の追加、積替え保管に関する事業範囲の変更など |
役員が変わった場合は?
法人で産業廃棄物収集運搬業許可を取得している場合、 取締役などの役員に変更があったときは、 変更届の対象となります。
- 代表取締役が交代した
- 新しい取締役が就任した
- 取締役が退任した
- 役員構成が変更された
新たに就任した役員については、 欠格要件との関係も確認されます。
許可取得後も、 法人の人的構成に一定の変更があった場合には 届出が必要です。
代表取締役が変わった場合は?
代表取締役の交代も、 許可上重要な変更事項です。
会社の登記を変更しただけで、 産廃許可の変更まで 自動的に行われるわけではありません。
登記手続きとは別に、 産業廃棄物収集運搬業許可について 必要な変更手続きを確認します。
会社名・商号が変わった場合は?
法人の商号を変更した場合も、 許可行政庁への変更届が必要となります。
↓
株式会社XYZ
会社自体が同一法人であっても、 産廃許可上の商号変更手続きが必要です。
本店所在地・住所が変わった場合は?
法人の本店所在地や、 個人事業者の住所等に変更があった場合にも、 変更届の対象となることがあります。
- 本店を川崎市内で移転した
- 本店を別の市へ移転した
- 営業拠点・事務所等に変更があった
- 個人事業者の住所が変更になった
ただし、 所在地の変更内容によっては、 単なる住所変更だけではなく、 許可区域や積替え保管施設等との関係を確認する必要があります。
事務所・営業所を移転した場合は?
産廃収集運搬業で使用している事務所や 事業場等に変更があった場合には、 現在の許可内容と照らして 届出の要否を確認します。
特に 積替え保管施設を伴う場合は、 単なる事務所移転とは扱いが異なる可能性があります。
運搬車両を追加・入替えした場合は?
産業廃棄物収集運搬業では、 許可申請時に使用する車両について 車検証等の資料を提出するのが一般的です。
許可取得後に 運搬車両を追加したり、 廃車・売却などにより使用しなくなった車両がある場合には、 許可行政庁の取扱いに従って 必要な変更手続きを行います。
車両を追加
新しいトラック等を 産廃運搬車両として使用する場合。
車両を廃止
売却・廃車等により 産廃運搬に使用しなくなった場合。
車両を入替え
古い車両を外し、 新しい車両を追加する場合。
使用権原の変更
車両の所有・使用関係等が変わった場合は、 必要資料を確認します。
新しい車両は「許可変更」だけでなく表示等にも注意
産業廃棄物を収集運搬する車両には、 法令上必要な表示や、 一定の書面の携帯等が求められます。
したがって、 新しい車両を導入するときには 変更手続きだけでなく、 実際に産廃運搬車として使用できる状態になっているか も確認することが大切です。
取り扱う産廃の種類を増やしたい場合は?
現在の許可で 「廃プラスチック類・金属くず」のみを扱っている会社が、 新たに 「がれき類」 も受託して運搬したい場合を考えてみます。
金属くず
↓
新規の仕事で
がれき類
も運搬したい
↓
単なる会社情報の変更ではなく、 事業範囲を広げることになります。
新しい品目の仕事を受注する前に、 現在の許可証と 必要な手続きを確認することが重要です。
「積替え保管なし」から「あり」に変更したい場合は?
現在、 積替え保管なし で収集運搬業を行っている会社が、 途中の事業場で廃棄物を積み替えたり、 保管したりする事業へ変更したい場合には、 特に慎重な確認が必要です。
積替え保管を伴う事業については、 施設、保管方法、立地、 自治体の基準・事前協議等が関係する場合があります。
したがって、 場所を借りたり設備工事を行ったりする前に、 許可行政庁へ相談する ことが重要です。
株主・出資者等が変わった場合は?
法人の形態や持株状況等によっては、 一定の株主・出資者等が 申請・届出上の確認対象となる場合があります。
大きな株主構成の変更などがあった場合には、 現在の許可に関して変更手続きが必要か を確認しておくことが大切です。
更新時にも講習会の確認が必要
産業廃棄物処理業の許可申請では、 申請者の能力を確認する資料として、 所定の講習会修了証等が用いられます。
更新申請の場合にも、 申請時点で必要な講習会区分や修了証の取扱い を確認する必要があります。
講習会の区分・受講対象者・修了証の取扱い等については、 申請先や講習実施機関の最新情報を確認してください。
更新時にも経理的基礎を確認される
更新許可申請では、 会社の財務状況に関する資料も重要です。
産廃処理業を 継続的かつ適正に行える経理的基礎があるかについて、 財務諸表等をもとに確認されます。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書等
- 法人税関係書類
- 納税関係資料
財務状況によって、 追加資料や今後の改善内容を示す資料等が 求められる場合があります。
役員変更では「欠格要件」にも注意
産業廃棄物処理業には、 法律上の 欠格要件 があります。
そのため、 新たな役員が就任した場合などには、 その人物が欠格要件に該当しないことも重要になります。
複数の都道府県等で許可を持っている場合は?
例えば、 神奈川県と東京都など、 複数の許可行政庁から 産業廃棄物収集運搬業許可を取得している会社では、 一つの会社変更が 複数の許可に関係することがあります。
+
東京都の許可
+
その他の許可行政庁
↓
それぞれの許可について 必要な変更手続きを確認
建設業許可の変更届を出せば産廃許可も変更される?
建設会社の場合、 建設業許可と産業廃棄物収集運搬業許可を 両方持っていることがあります。
例えば、 代表取締役や本店所在地が変更になれば、 建設業許可についても 変更手続きが必要となることがあります。
それぞれ別の許可制度ですので、 建設業許可・産廃許可の双方について 変更手続きを確認 する必要があります。
会社に変更があったら「保有許可」を全部確認
会社の登記事項等に変更があった場合には、 産廃許可だけを見るのではなく、 会社が保有している許認可全体を 確認することをおすすめします。
- 建設業許可
- 産業廃棄物収集運搬業許可
- 宅地建物取引業免許
- その他の営業許可・登録
変更届には期限がある
産業廃棄物処理業の変更届は、 変更内容に応じて 法令上の提出期限が定められています。
変更が発生したら、 まず 何が変わったのか を確認し、 その変更について 届出が必要か、いつまでに提出する必要があるかを 確認してください。
法人・個人の別や変更事項によって 期限や必要書類が異なるため、 許可行政庁の最新の手引きを確認することが重要です。
変更手続きではどんな書類が必要?
変更内容によって必要書類は異なります。
| 変更内容 | 確認・準備する資料の例 |
|---|---|
| 商号変更 | 登記事項証明書など |
| 本店所在地変更 | 登記事項証明書、所在地関係資料等 |
| 代表者変更 | 登記事項証明書、新代表者に関する必要資料等 |
| 役員就任・退任 | 登記事項証明書、新任役員に関する必要資料等 |
| 車両追加・変更 | 自動車検査証記録事項等、車両写真、使用権原関係資料等 |
| 産廃品目追加 | 事業計画、運搬方法、車両・容器、処分先等の資料 |
| 積替え保管関係 | 施設・土地・保管方法・図面その他行政庁が求める資料等 |
※上記は一般的な例です。実際の必要書類は変更内容・許可行政庁・事業内容によって異なります。
電子車検証の場合は「自動車検査証記録事項」も確認
現在は電子車検証が導入されているため、 車両関係の変更手続きでは、 電子車検証だけでは確認できない情報について 「自動車検査証記録事項」 の提出等を求められる場合があります。
車両を追加・入替えする場合には、 申請先の最新の必要書類を確認しましょう。
会社に変更があった場合の確認手順
役員・代表者・住所・車両・品目等
許認可管理表を作っておくと便利
建設会社など、 複数の許認可を保有する会社では、 許可証をファイルに入れておくだけではなく、 許認可管理表 を作成しておくと管理しやすくなります。
- 許可の名称
- 許可行政庁
- 許可番号
- 許可年月日
- 有効期限
- 更新準備開始予定日
- 許可された産廃品目
- 積替え保管の有無
- 届出済み車両
- 代表者・役員
- 本店・事務所所在地
- 講習会修了証等の情報
役員変更や車両入替えがあった際に この管理表と照合すれば、 変更手続きの見落としを防ぎやすくなります。
更新・変更手続きでよくある誤解
| よくある考え方 | 注意点 |
|---|---|
| 許可は一度取ればずっと有効 | 通常の許可には有効期間があります。 継続する場合は更新が必要です。 |
| 更新期限を過ぎても後から更新できる | 期限を過ぎた場合、通常の更新として扱えない可能性があります。 期限前の申請が重要です。 |
| 役員変更は登記だけでよい | 産廃許可についても変更届等を確認する必要があります。 |
| 車を買い替えただけなら何もしなくてよい | 車両変更について許可行政庁への手続きが必要となる場合があります。 |
| 新しい産廃品目は変更届で追加できる | 事業範囲の変更となる場合は、変更許可申請が必要となります。 |
| 更新時に過去の変更を全部出せばよい | 変更届には所定の期限があります。 変更時点で手続きの要否を確認します。 |
| 建設業許可の変更届を出せば産廃も変更される | 別の許可制度です。それぞれについて手続きが必要です。 |
| 一つの県へ変更届を出せば他県も変わる | 複数の許可を保有している場合は、それぞれの許可について確認が必要です。 |
産廃許可 更新・変更チェックリスト
- 現在の許可証の有効期限を確認した
- 更新申請の受付時期を確認した
- 必要な講習会等を確認した
- 前回申請後に役員変更がないか確認した
- 代表取締役の変更がないか確認した
- 商号変更がないか確認した
- 本店所在地変更がないか確認した
- 事務所・事業場等の変更がないか確認した
- 株主・出資者等の変更について確認した
- 運搬車両の追加・廃止・入替えを確認した
- 車両関係の必要資料を確認した
- 新しく取り扱う産廃品目がないか確認した
- 石綿・水銀関係の取扱い変更がないか確認した
- 積替え保管の変更予定がないか確認した
- 財務関係書類を準備した
- 欠格要件に関する変更がないか確認した
- 複数の都道府県等の許可を確認した
- 建設業許可など他の許認可への影響も確認した
産廃許可の更新・変更を行政書士に相談するメリット
産業廃棄物収集運搬業許可では、 新規許可だけでなく、 許可取得後の管理も重要です。
特に、 建設業許可など複数の許認可を持つ会社では、 代表者や役員、本店所在地等の変更が 複数の許可手続きに影響することがあります。
許可期限の確認
現在の許可内容を整理し、 更新に必要な準備を確認します。
変更事項の整理
役員・住所・車両等について、 必要となる変更手続きを整理します。
必要書類の整理
変更内容・申請内容に応じて 必要資料を整理します。
複数許可の確認
複数の行政庁で許可を取得している場合には、 それぞれの手続きを確認します。
まとめ
① 産業廃棄物収集運搬業許可には有効期間があり、通常は原則5年間です。
② 事業を継続する場合には、有効期間満了前に更新許可申請が必要です。
③ 役員・代表者・商号・所在地などに変更があった場合には、変更届の要否を確認します。
④ 運搬車両を追加・廃止・入替えした場合にも、必要な変更手続きを確認します。
⑤ 新しい産廃品目を追加するなど事業範囲を広げる場合は、単なる変更届ではなく変更許可申請が必要となる場合があります。
⑥ 「積替え保管なし」から「あり」への変更は、施設や立地等も関係するため、事前相談が重要です。
⑦ 変更届が必要な事項を、次回の更新まで放置してよいとは限りません。
⑧ 複数の都道府県等で許可を持っている場合には、それぞれの許可について変更手続きを確認します。
⑨ 建設業許可と産廃許可は別制度なので、一方の変更届を提出しても他方が自動的に変更されるわけではありません。
⑩ 許可期限・役員・所在地・車両・許可品目等を一覧化して管理すると、更新・変更の見落としを防ぎやすくなります。
↓
住所が変わった
↓
会社名が変わった
↓
車両を買い替えた
↓
新しい産廃品目を運びたい
↓
積替え保管を始めたい
↓
その都度、 「変更届」「変更許可申請」など 必要な手続きを確認します。
そして、 許可期限が近づいたら「更新許可申請」 です。
更新・変更手続きについてご相談ください
「代表取締役・役員が変わった」
「本店所在地を移転した」
「運搬車両を追加・買い替えした」
「新しい産廃品目を追加したい」
「積替え保管を始めたい」
「建設業許可と産廃許可の変更をまとめて確認したい」
といった段階からご相談いただけます。
更新・役員変更・所在地変更・車両変更・許可品目の追加等を確認し、
事業内容に応じて必要な手続きを整理いたします。