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行政書士の相続手続き
家族が亡くなったら何を頼める?相続の流れをわかりやすく解説

ご家族が亡くなると、 悲しむ間もなく多くの手続きが必要になります。

死亡届、年金、健康保険などの手続きだけでなく、 遺産についても、

  • 遺言書があるか確認する
  • 相続人を調べる
  • 戸籍を集める
  • 財産を調べる
  • 借金の有無を確認する
  • 遺産の分け方を決める
  • 遺産分割協議書を作成する
  • 銀行預金等の相続手続きをする
  • 不動産の相続登記をする
  • 必要であれば相続税を申告する

など、さまざまな手続きが発生します。

このような相続手続きの中には、 行政書士に依頼できるものがあります。

行政書士は相続手続きの「整理役」になることができます
行政書士は、業務として取り扱うことができる範囲で、

戸籍等の収集

相続人の調査・整理

相続財産の資料整理

相続関係説明図・財産目録等の作成

相続人間で合意した内容に基づく遺産分割協議書の作成

預貯金等の相続手続き


などを支援することができます。

一方で、 相続登記・税務申告・相続人間の紛争など、 他の専門家へ依頼すべき業務もあります。

家族が亡くなったら、まず何をする?

相続手続きでは、 いきなり遺産を分け始めるのではなく、 順序を追って確認することが重要です。

STEP 1 遺言書の有無を確認する
まず、亡くなった方が遺言書を残していないか確認します。
STEP 2 相続人を確認する
戸籍等を収集して、法定相続人を確認します。
STEP 3 相続財産・債務を確認する
預貯金、不動産、有価証券などに加え、借入金等も確認します。
STEP 4 相続するか、放棄するか等を検討する
借金等がある場合には、相続放棄等も含めて早めに検討します。
STEP 5 遺産の分け方を決める
遺言等による指定がない財産などについて、必要に応じて相続人全員で協議します。
STEP 6 遺産分割協議書を作成する
相続人間で合意した内容を正確に書面化します。
STEP 7 財産ごとの名義変更等を行う
預貯金、不動産、有価証券など、それぞれ必要な手続きを行います。

行政書士に依頼できる主な相続手続き

📄 戸籍等の収集

相続手続きに必要となる戸籍・除籍・改製原戸籍等について、 業務上必要な範囲で収集し、相続関係を整理します。

👨‍👩‍👧‍👦 相続人調査

戸籍等を確認し、 誰が法定相続人となるのかを調査・整理します。

🌳 相続関係説明図等の作成

被相続人と相続人との関係を 分かりやすく整理した書類を作成します。

📋 財産資料の整理・財産目録

預貯金、不動産、有価証券等について、 資料を整理し、必要に応じて財産目録等を作成します。

📝 遺産分割協議書の作成

相続人全員で遺産の分け方について合意している場合に、 その合意内容を書面として作成します。

🏦 預貯金等の相続手続き

委任内容や各金融機関の取扱いに応じて、 預貯金等の相続手続きを支援します。

① 戸籍を集めて相続人を確定する

相続手続きの基本となるのが、 「誰が相続人なのか」 を確認することです。

一般に、被相続人について 出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍等を確認し、 相続関係を調査します。

「家族なら相続人は全員分かっている」 と思い込んで手続きを進めるのは避けましょう。

戸籍を確認した結果、 家族が把握していなかった相続関係が 判明することもあります。

遺産分割協議をする場合には、 まず法定相続人を正確に確認することが重要です。

② 相続財産を整理する

相続人が確認できたら、 次に被相続人の財産を整理します。

主な確認対象として、
  • 銀行・信用金庫等の預貯金
  • 土地・建物等の不動産
  • 株式・投資信託等の有価証券
  • 自動車
  • 貸付金等の債権
  • その他の動産・財産
  • 借入金・ローン等の債務
などがあります。

財産の種類によって、 その後に必要となる手続きが異なります。

③ 「財産」だけでなく借金にも注意

相続では、 預貯金や不動産などのプラスの財産だけを 確認すればよいわけではありません。

借入金などの債務も問題となります。

多額の借金がある可能性がある場合は、 遺産分割を急ぐ前に注意が必要です。

相続放棄は、原則として 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 に家庭裁判所への申述を検討する必要があります。

財産・債務の状況が分からない場合には、 早めに確認を始めることが大切です。

④ 相続人全員で遺産分割を話し合う

遺言による指定等がなく、 複数の相続人で財産を分ける必要がある場合には、 遺産分割協議を行います。

遺産分割協議は、原則として相続人全員の合意が必要です。

一部の相続人だけで決めて、 残りの相続人を除外して進めることはできません。

誰が自宅を取得するのか、 預貯金をどのように分けるのかなどを 相続人全員で話し合います。

⑤ 遺産分割協議書を作成する

相続人全員で遺産の分け方が決まったら、 その内容を 遺産分割協議書 として書面にします。

遺産分割協議書には一般に、
  • 被相続人を特定する情報
  • 相続人全員が合意した旨
  • 誰がどの財産を取得するのか
  • 不動産の表示
  • 預貯金等を特定する情報
  • 協議成立日
  • 相続人の住所・氏名等
などを記載します。
行政書士は、相続人間ですでに合意している内容について、 遺産分割協議書として書面化する業務を取り扱うことができます。

一方、相続人同士で 「誰がどの財産を取得するか」で争っている場合には、 行政書士が一方の代理人となって 相手方と紛争について交渉することはできません。

⑥ 銀行預金等の相続手続き

遺産分割がまとまった後は、 実際に財産を相続人へ移す手続きを進めます。

預貯金の場合には、 金融機関によって必要書類や手続方法が異なります。

一般的には、
  • 金融機関所定の相続手続書類
  • 戸籍関係書類または法定相続情報一覧図等
  • 遺産分割協議書等
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
などを求められることがあります。

実際に必要となる書類は、 金融機関や相続内容によって異なるため、 個別に確認します。

⑦ 不動産があれば相続登記

被相続人名義の土地や建物がある場合には、 相続による所有権移転登記が必要になります。

不動産の登記申請代理は、行政書士の業務ではありません。

相続登記の申請代理については、 司法書士に依頼することになります。

行政書士が相続関係書類等を整理し、 必要に応じて司法書士と連携して 手続きを進める方法があります。

相続登記は義務化されています

2024年4月1日から、 相続登記の申請が義務化されています。

相続によって不動産を取得したことを知った場合には、 原則として その取得を知った日から3年以内 に相続登記を申請する必要があります。

また、遺産分割によって不動産を取得した場合には、 遺産分割成立後の申請期限についても注意が必要です。

「遺産分割協議書を作ったから相続手続きは終わり」 ではありません。

不動産がある場合には、 相続登記まで完了させることが重要です。

⑧ 相続税が必要か確認する

相続財産の額によっては、 相続税の申告が必要になる場合があります。

相続税の基礎控除額は、

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

が基本です。

例えば、 法定相続人が3人の場合には、

3,000万円 + 600万円 × 3人
= 4,800万円

となります。

ただし、「財産が基礎控除額を超えたか」だけで 最終的な税務判断をするものではありません。

財産評価、各種特例、控除、申告の要否など、 税務上の判断や相続税申告は税理士の専門分野です。

相続税申告が必要な場合には、 原則として 相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内 という期限があります。

行政書士だけではできない相続手続きもあります

相続には複数の専門分野が関係します。

手続き・問題 主に相談する専門家
戸籍等の収集・相続関係書類の作成 行政書士等
遺産分割協議書等の作成 行政書士等
※紛争性がない場合
相続登記 司法書士
相続税申告・税務相談 税理士
相続人同士の争い・交渉 弁護士
家庭裁判所での紛争手続き 弁護士等、手続内容に応じた専門家
相続では「誰に何を頼むか」が大切です
行政書士
→ 戸籍収集・相続関係の整理・書類作成・預貯金等の手続支援


司法書士
→ 不動産の相続登記


税理士
→ 相続税の相談・申告


弁護士
→ 相続人間の紛争・交渉・訴訟等


相続の内容に応じて、 適切な専門家を利用することが大切です。

「法定相続情報一覧図」を利用できる場合も

相続手続きでは、 銀行や法務局など複数の窓口へ 戸籍関係書類を提出することがあります。

そこで利用できる制度の一つが 法定相続情報証明制度です。

戸籍等をもとに法定相続情報一覧図を作成し、 法務局で所定の手続きを行うと、 認証文付きの法定相続情報一覧図の写しを 取得できます。

これを各種相続手続きに利用することで、 戸籍一式を何度も提出する負担を 軽減できる場合があります。

相続手続きを自分ですることもできます

相続手続きは、 必ず行政書士等へ依頼しなければならない というものではありません。

相続人ご自身で戸籍を集め、 金融機関等の手続きを行うこともできます。

ただし、相続関係が複雑な場合や、 財産が複数ある場合には、 手続きに時間がかかることがあります。

仕事等で平日に役所や金融機関へ行くことが難しい方、 戸籍をどこまで集めればよいか分からない方などは、 専門家への依頼を検討する方法があります。

行政書士への相談を検討したいケース

  • 相続手続きで何から始めればよいか分からない
  • 戸籍を集める時間がない
  • 相続人が複数いる
  • 相続関係を整理してほしい
  • 遺産分割協議書を作成してほしい
  • 銀行等の相続手続きが複数ある
  • 相続財産を一覧に整理したい
  • 不動産があり司法書士との連携も必要になりそう
  • 相続税が心配で税理士への相談も必要になりそう
  • 相続手続き全体の流れを整理してほしい

相続手続きには期限があります

手続き 主な期限・注意点
相続放棄 原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内
準確定申告 必要な場合、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
相続税申告 必要な場合、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内
相続登記 相続により不動産を取得したことを知った場合、原則としてその取得を知った日から3年以内
「まだ時間がある」と思っているうちに、 期限が近づいてしまうことがあります。

特に借金がある可能性がある場合には、 相続放棄の期間がありますので、 早めの確認が重要です。

相続は「亡くなった後」だけの問題ではありません

相続手続きを経験すると、 「もっと元気なうちに準備しておけばよかった」 という問題が見えてくることがあります。

✍️ 遺言

誰にどの財産を残したいのかを 元気なうちに整理しておく方法があります。

🤝 見守り

一人暮らしや高齢者住宅で生活する方について、 定期的に状況を確認する仕組みを検討できます。

🛡️ 任意後見

将来、判断能力が低下した場合に備えて、 元気なうちに任意後見契約を準備できます。

🌿 死後事務

葬儀、納骨、施設の精算等、 死亡後の事務を誰に任せるかを 生前に決めておく方法があります。

まとめ

① 相続が発生したら、まず遺言書の有無を確認します。

② 戸籍等を集めて法定相続人を確認します。

③ 預貯金・不動産等だけでなく、借金等も確認します。

④ 必要に応じて相続人全員で遺産分割協議を行います。

⑤ 合意内容を遺産分割協議書として書面化します。

⑥ 預貯金、不動産等について実際の相続手続きを行います。

⑦ 相続登記は司法書士、相続税申告は税理士、相続紛争は弁護士など、必要に応じて専門家を使い分けます。

相続手続きは「順番」が大切です
遺言の確認

相続人調査

財産・債務の確認

相続放棄等の検討

遺産分割協議

遺産分割協議書

預貯金等の相続手続き

相続登記・相続税申告等


一つずつ順番に整理していけば、 複雑に見える相続手続きも 進めやすくなります。
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