
会社役員・代表者変更
取締役・代表取締役が変わったときに必要な手続きを解説
会社では、 任期満了、退任、辞任、就任、 社内体制の変更などにより、 取締役や代表取締役が変更される ことがあります。
しかし、 役員・代表者変更は 「社内で決めれば終わり」 というものではありません。
会社法上の機関決定、 法務局での登記、 許認可の変更届、 銀行・取引先等への変更手続きなど、 複数の手続きが関係します。
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株主総会・取締役会等の議事録作成
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法務局で変更登記
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許認可の変更届
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銀行・税務・社会保険・取引先等の変更
という流れで進めるのが基本です。
役員変更にはどのようなケースがある?
① 新しい取締役が就任
事業拡大や世代交代などで、 新たに取締役を選任するケースです。
② 取締役が辞任・退任
本人の辞任、任期満了、 会社都合などによって退任するケースです。
③ 代表取締役が交代
社長交代、組織再編などにより、 新たな代表取締役を選定するケースです。
④ 役員全体を改選
任期満了などにより、 複数の取締役をまとめて改選する場合があります。
まず現在の会社形態・機関設計を確認
役員変更の手続きは、 会社の機関設計によって異なります。
- 取締役会設置会社か
- 取締役会非設置会社か
- 監査役を置いているか
- 現在の取締役は何名か
- 代表取締役を誰が選定する仕組みか
- 定款に特別な定めがあるか
そのため、 最初に定款と現在の登記事項証明書を確認することが重要です。
取締役を新しく選任する場合
株式会社で新たに取締役を選任する場合には、 通常、 株主総会で選任します。
選任された本人については、 就任の意思確認や就任承諾に関する書類が必要になります。
- 株主総会議事録
- 就任承諾書
- 本人確認関係書類
- 印鑑証明書等が必要となる場合の確認
代表取締役の変更はどう決める?
代表取締役の選定方法は、 取締役会設置会社かどうかなどによって異なります。
取締役会設置会社
原則として取締役会で 代表取締役を選定します。
取締役会非設置会社
定款や株主総会決議、 取締役の互選など、 会社の設計に応じた方法で代表取締役を定めます。
現在の定款・登記・機関設計を確認して進めることが大切です。
代表者変更の典型的な流れ
取締役会設置会社か、役員構成、代表取締役の選定方法等を確認します。
新しい代表取締役・取締役等の候補者を決めます。
会社法・定款に従って必要な決議を行います。
役員変更に必要な社内書類を整えます。
司法書士等に依頼して登記手続きを行います。
建設業許可、宅建業免許、金融機関、税務等の変更を確認します。
変更登記には期限があります
取締役や代表取締役に変更が生じた場合には、 会社法上、 原則として変更の日から2週間以内 に本店所在地を管轄する法務局で 変更登記を行う必要があります。
役員変更が社内で正式に決まったら、 必要書類を速やかに整理して登記手続きへ進めます。
登記申請は司法書士の業務
行政書士が会社関係書類や許認可関係を支援する場合でも、 登記申請部分については司法書士と連携して進める方法があります。
役員変更後は登記事項証明書を取得
変更登記が完了したら、 新しい役員・代表者が記載された 履歴事項全部証明書 等を取得します。
この登記事項証明書は、 その後の各種変更手続きで 提出を求められることがあります。
↓
新しい履歴事項全部証明書を取得
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許認可変更届
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銀行等の代表者変更
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取引先・契約関係の変更
建設業許可を持っている会社は要注意
建設業許可を取得している会社で、 取締役や代表取締役が変更された場合には、 建設業許可上の変更届 が必要となる場合があります。
- 代表取締役の変更
- 新しい取締役の就任
- 取締役の退任
- 経営業務の管理体制に関係する役員の変更
「経管」を兼ねている代表者が変わる場合は特に注意
建設業許可では、 代表取締役が 経営業務の管理を適正に行うために必要な体制 の要件に関係している場合があります。
後任者が建設業法上の要件を満たしているかを 事前に確認することが重要です。
後任者の経営経験等について、 過去の会社での役員歴や 建設業に関する経験の証明が必要になる場合があります。
宅建業免許を持っている会社も確認
宅地建物取引業免許を持っている会社についても、 代表者や役員の変更に伴い、 変更届等 が必要になる場合があります。
宅建業では、 役員等が欠格要件に該当していないかなどの確認も重要です。
その他の許認可も確認
会社が複数の許認可を持っている場合には、 それぞれについて変更手続きを確認します。
- 建設業許可
- 宅地建物取引業免許
- 古物商許可
- 産業廃棄物収集運搬業許可
- 飲食店営業許可
- 各種登録・届出
銀行口座の代表者変更
会社の代表取締役が変わった場合には、 銀行にも代表者変更の手続きを行います。
- 履歴事項全部証明書
- 新代表者の本人確認書類
- 会社の印鑑証明書
- 届出印
- 銀行所定の変更届
会社実印・印鑑届も確認
代表取締役の変更に伴い、 法務局への印鑑届出や 会社実印の管理について確認が必要になる場合があります。
従前の代表者が管理していた会社実印、 銀行印、電子証明書等についても 引継ぎを明確にしておくことが大切です。
税務・社会保険関係も確認
代表者・役員変更後には、 税務署、都道府県、市区町村、 年金事務所等についても 必要な変更手続きがないか確認します。
- 税務署
- 都道府県税事務所
- 市区町村
- 年金事務所
- 労働基準監督署
- ハローワーク
すべての変更で届出が必要とは限らないため、 会社の状況に応じて確認します。
取引先への通知も忘れずに
代表取締役が変われば、 重要な取引先へ通知することも検討します。
主要取引先
金融機関
賃貸人
リース会社
保険会社
顧問先
などには、 必要に応じて代表者変更を知らせます。
契約書の代表者名はどうする?
既存の契約書に旧代表者名が記載されているからといって、 代表者が変わるたびに すべての契約書を締結し直す必要があるとは限りません。
株式会社○○ 代表取締役 山田太郎
と契約書に記載されていて、 後日代表者が交代しても、 契約主体が会社である場合には、 通常は会社との契約関係そのものが 直ちに消滅するわけではありません。
ただし、 重要契約については 代表者変更の通知義務や 承諾条項等がないかを確認しておくことが大切です。
新代表者の就任前に確認したいこと
- 新代表者の就任意思
- 欠格事由等に問題がないか
- 許認可上の要件を満たしているか
- 建設業許可の経管に影響しないか
- 銀行・融資契約上の問題がないか
- 外国人・外国法人が関係する場合の必要書類
- 就任日と登記日程
外国人が代表取締役になる場合
外国人が日本法人の 代表取締役になることも可能です。
ただし、 登記、本人確認、署名証明、 在留資格、許認可上の届出など、 会社の状況に応じて追加確認が必要になる場合があります。
役員変更でよくある失敗
① 登記だけで終わったと思う
許認可や銀行の変更手続きを忘れてしまうケースです。
② 就任日が書類で食い違う
議事録、就任承諾書、登記申請で日付が一致していないケースです。
③ 経管まで退任してしまう
建設業許可の要件に関係する役員の退任を 十分確認せずに進めてしまうケースです。
④ 変更届の期限を過ぎる
登記完了を待っている間に、 行政上の変更届期限を見落とすケースです。
役員・代表者変更チェックリスト
- 現在の定款を確認した
- 現在の登記事項証明書を確認した
- 取締役会設置会社か確認した
- 新取締役の就任日を決めた
- 新代表取締役の就任日を決めた
- 株主総会議事録等を準備した
- 就任承諾書等を準備した
- 変更登記の期限を確認した
- 新しい履歴事項全部証明書を取得する
- 建設業許可への影響を確認した
- 宅建業等の許認可を確認した
- 金融機関への変更を確認した
- 会社実印・銀行印等を引き継いだ
- 主要取引先への通知を確認した
行政書士に相談できること
会社役員・代表者変更では、 登記そのものだけでなく、 その後の許認可変更や社内書類の整理 も重要です。
- 株主総会議事録等の会社関係書類の作成支援
- 役員変更に伴う許認可の確認
- 建設業許可の変更届
- 宅建業等の変更届
- 契約書・通知文等の作成
- 変更手続き全体の整理
- 司法書士等との連携
登記が必要な案件については、 司法書士と連携しながら、 行政書士が許認可関係を担当する形が考えられます。
まとめ
① 取締役・代表取締役の変更は、会社内部の決定だけで終わりません。
② 会社の機関設計に応じて、株主総会・取締役会等の決議が必要です。
③ 役員変更後は、原則として2週間以内に変更登記を行います。
④ 登記申請代理は司法書士の業務です。
⑤ 建設業許可・宅建業免許等を持つ会社は、許認可上の変更届も確認します。
⑥ 建設業許可の経管に関係する役員が変わる場合には、後任者の要件を事前に確認することが重要です。
⑦ 銀行・税務・社会保険・取引先等への変更手続きも忘れないようにしましょう。
↓
株主総会・取締役会等
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議事録・就任承諾書等
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変更登記
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許認可変更
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銀行・税務・社会保険等
↓
取引先への通知
この一連の流れをあらかじめ整理しておくことで、 変更漏れを防ぎやすくなります。
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