契約書
なぜ必要?作成・確認で押さえておきたい基本ポイント

私たちの生活や事業の中では、 さまざまな場面で契約が行われています。

例えば、

  • 賃貸借契約
  • 売買契約
  • 業務委託契約
  • 請負契約
  • 贈与契約
  • 金銭消費貸借契約
  • 秘密保持契約
  • 身元保証・見守り等に関する契約

などがあります。

こうした契約は、 口頭でも成立する場合がありますが、 後から内容について争いが起きないようにするためには、 契約書として書面に残しておくことが重要です。

契約書とは?
契約書とは、 当事者間で合意した内容を 書面にまとめたものです。

誰と誰が
何について
どのような条件で
いつまでに
何をするのか


を明確にしておくことで、 将来の認識違いやトラブルを防ぐ役割があります。

なぜ契約書が必要なのでしょうか?

① 合意内容を明確にする

口約束では内容を忘れたり、 当事者ごとに理解が違ったりすることがあります。 契約書にすることで、合意内容を確認しやすくなります。

② 言った・言わないを防ぐ

契約内容を書面に残すことで、 後から「そのような話はしていない」という争いを 防ぎやすくなります。

③ 問題発生時の基準になる

契約違反、解約、損害賠償などが問題になった場合、 何を約束していたのかを確認する基準になります。

④ 契約終了時のルールを決める

契約開始時だけでなく、 解約、返還、原状回復、精算など、 終了時のルールもあらかじめ決めることができます。

契約書でまず確認したい10項目

  • 契約当事者の氏名・会社名が正しいか
  • 契約の目的が明確か
  • 金額・支払方法が明確か
  • 契約期間が明確か
  • 各当事者の義務が明確か
  • 中途解約できるか
  • 契約解除の条件が明確か
  • 違約金・損害賠償の条件が明確か
  • 契約終了時に何をするか
  • 紛争が生じた場合の取扱いが定められているか

契約当事者は正確に記載する

契約書の基本となるのが、 誰と誰が契約しているのか という点です。

法人の場合には、

会社名
本店所在地
代表者の役職・氏名


などを正確に確認します。

会社名が旧商号のままだったり、 代表者が変更されているのに 古い契約書をそのまま使っている場合などには注意が必要です。

金額・支払条件はできるだけ具体的に

金銭の支払いを伴う契約では、 単に「代金を支払う」と書くのではなく、 具体的な条件を定めておくことが重要です。

確認したいのは、
  • 金額
  • 消費税の取扱い
  • 支払期限
  • 振込先
  • 振込手数料の負担
  • 分割払いか一括払いか
  • 遅延した場合の取扱い
などです。

契約期間と更新・再契約

継続的な契約では、 契約期間を明確にします。

特に賃貸借契約などでは、

  • 契約開始日
  • 契約終了日
  • 自動更新か
  • 更新手続きが必要か
  • 定期契約か
  • 再契約が可能か
などを確認しておく必要があります。

「解約」と「解除」は同じではありません

契約書では、 解約と 解除という言葉が使われることがあります。

解約

継続的な契約を将来に向かって終了させる場合などに 使われることがあります。

解除

契約違反など一定の理由によって 契約関係を解消する場合などに問題となります。

実際の効果は契約の種類や条項によって異なりますので、 用語だけでなく、その条項が何を定めているのか を確認することが重要です。

違約金・損害賠償条項も確認

契約違反があった場合に備えて、 違約金や損害賠償について定めることがあります。

「違約金○万円」と書いてあればよい、 というものではありません。

どのような場合に発生するのか、 他の損害賠償請求との関係はどうなるのかなど、 契約全体との整合性を確認する必要があります。

契約書は「終了時」を考えて作る

契約書を作るときは、 どうしても契約開始時の条件に目が向きがちです。

しかし、実務上は 契約が終わるときのルールが重要です。

契約終了時に問題になりやすいもの
解約通知
↓
契約終了日
↓
物品・物件の返還
↓
原状回復
↓
残代金・未払金の精算
↓
保証金・預り金等の返還


契約開始時から 終了時までを一連の流れとして考えて 契約書を作ることが大切です。

インターネットのひな形をそのまま使って大丈夫?

契約書のひな形は、 インターネット上でも簡単に入手できます。

しかし、ひな形はあくまで一般的な例であり、 そのまま自分の契約に適しているとは限りません。

取引内容が違う

同じ契約名でも、 金額、期間、目的、取引方法は案件ごとに異なります。

当事者の立場が違う

一方に有利なひな形を、 反対の立場の人が使うと不利になることがあります。

条項が不足している

実際の取引で重要な条件が ひな形に入っていない場合があります。

法令改正等に対応していない

古いひな形では、 現在の制度や実務に合っていない場合があります。

契約書の「リーガルチェック」とは?

すでに契約書案がある場合には、 その内容を確認する リーガルチェック を行うことがあります。

例えば、
  • 契約内容に矛盾がないか
  • 不明確な条項がないか
  • 必要な条項が抜けていないか
  • 一方に過度に不利な内容がないか
  • 契約終了時の処理が明確か
  • 他の条項との整合性が取れているか
などを確認します。

賃貸借契約書では特に何を見る?

店舗・事務所・住宅の賃貸借契約では、 一般的な契約書以上に確認項目が多くなります。

  • 賃料・共益費
  • 保証金・敷金
  • 契約期間
  • 普通借家か定期建物賃貸借か
  • 更新・再契約
  • 中途解約
  • 違約金
  • 用途制限
  • 転貸禁止
  • 設備の取扱い
  • 原状回復
  • 明渡し

特に事業用賃貸借では、 原状回復、中途解約、保証金、再契約 などが将来のトラブルにつながりやすい部分です。

契約書の作成手順

STEP 1 当事者を確認
誰と誰が契約するのかを確認します。
STEP 2 契約目的を確認
何のための契約なのかを明確にします。
STEP 3 主要条件を整理
金額、期間、履行方法などを確認します。
STEP 4 リスクを確認
契約違反、途中解約、損害発生などを想定します。
STEP 5 終了時を決める
契約終了、返還、原状回復、精算などを整理します。
STEP 6 契約書を作成
当事者の合意内容を条項として整理します。
STEP 7 全体を再確認
条項間に矛盾がないか、誤字・脱字等も含めて確認します。

契約書は署名・押印する前に確認する

契約書の確認は、契約後ではなく契約前に行うのが基本です。

署名・押印した後で 「この条項は不利だから直したい」 と思っても、 相手方が同意しなければ簡単には変更できない場合があります。

相手方から契約書を渡された場合には、 急いで署名・押印せず、 内容を一度確認することが大切です。

電子契約でも内容確認は同じ

近年は紙の契約書だけでなく、 電子契約も広く利用されています。

電子契約だからといって、 契約内容の確認が簡単になるわけではありません。

紙でも電子契約でも、 重要なのは「何に合意するのか」を確認することです。

行政書士に契約書を相談できる?

行政書士は、 行政書士法上取り扱うことのできる範囲で、 権利義務に関する書類として 各種契約書の作成を業務として行うことができます。

例えば、
  • 賃貸借契約書
  • 売買契約書
  • 業務委託契約書
  • 贈与契約書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 各種合意書
  • 契約書案の内容確認
などについて、 業務範囲に応じた支援が考えられます。

すでにトラブルになっている場合は?

契約書の作成・確認と、 すでに発生している紛争について 一方の代理人として相手方と交渉することは別の問題です。

契約違反、損害賠償、解除などをめぐって すでに法的な争いが生じており、 代理交渉や訴訟等が必要な場合には、 弁護士への相談が必要となることがあります。

契約書チェックリスト

  • 契約当事者は正しい
  • 契約の目的は明確
  • 金額・支払日は明確
  • 契約期間は明確
  • 当事者の義務は明確
  • 中途解約の条件を確認した
  • 解除条件を確認した
  • 違約金・損害賠償を確認した
  • 保証の内容を確認した
  • 契約終了時の処理を確認した
  • 条項同士に矛盾がない
  • 誤字・脱字・数字の間違いがない
  • 別紙・添付資料との整合性を確認した

まとめ

① 契約書は、当事者間の合意内容を明確にする書面です。

② 口約束でも成立する契約はありますが、書面化はトラブル防止に役立ちます。

③ 金額、期間、解約、解除、違約金等を具体的に定めます。

④ 契約開始時だけでなく、契約終了時まで考えて作成することが重要です。

⑤ インターネットのひな形が、そのまま自分の取引に適しているとは限りません。

⑥ 契約書は署名・押印する前に確認しましょう。

⑦ 行政書士は、業務範囲に応じて契約書の作成・確認を支援できます。

よい契約書は「トラブルが起きない契約書」を目指します
取引内容を確認
↓
当事者の役割を決める
↓
金額・期間を決める
↓
トラブル時のルールを決める
↓
終了時の処理を決める
↓
書面化する
↓
署名・押印前に再確認


契約書は、 問題が起きた後に使うためだけのものではなく、 問題を起こさないために作るもの でもあります。
契約書の作成・内容確認について
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川崎駅前通行政書士事務所
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